『まわる神話構想ノート』より

 私は<物語り>や<おとぎばなし>を口承伝承としてのこしていくために朗読という行為を大切にしていきたい。朗読しないかぎり私の文章能力は困ったことに上がることはないようだ。書いても書いても納得のいく作品を書くことができない。ジュブナイル小説を書いてみようと考えたのは<私がこども>だったからである。知識の寄せ集めではなくて固有名詞もない寓話を書くことは本当に難しい。それに書くことは自分の半分にも満たない本音をさらけだすことに近いような気がしてきた。