『まわる神話構想ノート』より

 私は世界を大きな百科事典のようなものと考えている。わかるところとわからないところがあって、わからないところに注意が向きすぎるとつかれるような気持ちになる。わかるところ大きく見つめることによってわからないところを補充することができると最近になって考えることができるようになった。作家になることを考えたときに百科事典をより善くする勤めがある。その役割りを作家が作り出す自由と交換するのではないだろうか。
 私はまだまだわからないページが多い。百科事典についての私なりの考えを小説にまとめたものが『まわる神話』になると思われる。日常をはなれない<物語り>になればよりいっそう善い<物語り>になると思われる。