『まわる神話構想ノート』より

私はドストエフスキートルストイの作品をおとぎばなしの鉱脈の源泉として書き続けていきたいと思う。そこには海の流れを思い起こさせる夢が空想力によって4次元的な空間で転回している。<物語り>の時間が多面的な宇宙を想起させるのはドストエフスキートルストイの作品の特徴でもある。私はジュブナイル小説としてまた聖書の解釈のひとつとして小説を構想していきたい。意識の流れは音楽に近いので音楽を聴くように<物語り>を読み、<物語り>を書いていきたい。
 私の小説は哲学者が哲学をつくりあげるしぐさに似ているのかもしれない。こどもからおとしよりまで伝承される<物語り>には哲学が存在する。地球を離れた宇宙へのメッセージは相対性理論をつくるようないとなみに近いのかもしれない。クラシック・バレエおとぎばなし性とりいれるとお姫様や王子様が登場してくる。村や町にとどこおりなく伝承される<物語り>をグリム兄弟のいとなみのように生涯をかけてつづけていきたいとおもっている。きっとそれは夏休みの大きな宿題のような存在なのだろうと思う。