ヘーゲルの<平均的日常性>な入院生活者

私は京都のとある哲学科に籍をおいている。精神科医からはバウムテストで「やや統合失調症」と診断されてしまった。「<実のなる樹>を描いてください」と言われたのにまわりにユダヤ教の象徴とか教会とか机とかわけのわからないものを描いてしまったのでよくなかった。ルンルン気分はときに毒になるらしい。以前病院でバウムテストをやったときは柳の木が好きだった、という理由で柳の木を描いてしまった。そうである。柳の木は実をつける樹ではない。
 現在は沼津市立図書館で本をかりて朗読している。深層心理学ラカンユングフロイトに興味があり、講義形式なために朗読しやすい。ラカンは知識人で相当なキザなところがあるのでラカンの本を朗読するとキザになる。ユングおとぎばなしを普遍的無意識や集合的無意識などおおきな枠組みでとらえたおとぎばなしのすきなおっさんなのでふかく勉強になる。フロイトは自身も神経症を患っていたためか論理展開がそのまま口頭でもただしく、言葉のあやが巧みである。