『まわる神話構想ノート』より

私は倫理のことを考えると友愛のことを考えずにはいられない。誰しも友人のことを考えないで生きることはできないためだ。そこにはきっと数で割り切れないものなのだろう。もっと強いものでむすばれたものが絆だとおもわれる。その絆は「重い」とか「軽い」とかで表現することはできない。生命の誕生は海からはじまると私は考えている。聖書の神の創造とは少し違ったものなのかもしれない。人間の心のあらわれが魂であるならば、小説やいろいろな現象にほのかにあらわれている。それは原子や量子レベルのあたたかさなのかもしれない。芸術家は自ずからの世界を真理の道程にのせて現在から未来へと送り出している。
 おとぎばなしはもっと深層部へ過去から未来へと伝承されていく。それは土であそぶようなものなのかもしれない。わたしはおとぎばなしを集めておとぎばなしをまねておとぎばなしを生み出していきたい。