へーゲル頭蓋論

へーゲル頭蓋論
 自己意識が自分の直接的な現実に対してもつ関係の観察、人相術と頭蓋論
 
 心理学的な観察は自己意識が現実に対してもつ関係の法則を決して見い出しはしない、言いかえると、この観察は自己意識が自分に対置せられた世界に対してもつ関係の法則をけっして見出しはしないのである。そこで自己意識と世界との両者がそうごに没交渉であるので、このことにうながされて、心理学的な観察は実在的な個体性に固有な限定のほうへと押しもどされて行くことになるが、この個体性とは即自的に且つ対自的に存在するものであり、言いかえると対自的と即自存在との対立を己れの絶対媒介において消去して内包しているものである。かかる個体性が今や観察にとって「発生」しているところの対象であり、言いかえると観察はこの個体性に移っていくものである。

 心理学と人体解剖学を組み合わせて医学の「場所」の倫理について考察していきたい