霊魂についてと運動についてのエッセイ

 私は京都の劇団に入ってヘーゲルの『精神の現象学』をよみときながら、心理学の中のサイコ・ドラマの在り方やサイコ・セラピーの在り方について多面的に考察していきたい。劇団に入って劇場で役をもらって実践するには「おいそれ」とはいかないことだろうと思われる。しかし、脚本や戯曲を書くためには身体をとおした西田哲学の純粋経験が無ければ、机上の空論になってしまう。

 また、ユング心理学の考え方や「身体表現をとおしての倫理」を考察するためにクラシック・バレエの実践や演劇の実践、バイオリンの実践は大きなかたちなきものの財産になると思われる。

 戯曲『体操競技の道程』の前に『クラシック・バレエの道』という戯曲を書きあげていきたい。『クラシック・バレエの道』はジュブナイル小説として書きあげたものを戯曲として書き変えて遠い日に映画として結合させていきたい。いずれにせよ加藤澤男さんやフレッド・アステアさんの身体知を日本の<幽玄やもののあはれの精神>として運動表象によって具現化していきたい。

 イメージの考察についてはユング心理学の『アイオーン』および『心理学と宗教』を源泉として一度、理論家したものを実践倫理学としてアリストテレスの『ニコマコス倫理学』や『霊魂論』をひもときながら、身体の運動にイメージから移行して具現化していきたいと思う。