『まわる神話構想ノート』より

<物語りの世界>のなかの時間はわれわれ世界つまり<日常の世界>の時間にいかにして影響をあたえているのであろうか。おとぎばなしが伝承されるとき魂の深層部分に<響く>はずである。そうでなければ、こどもだったころ聴いたおとぎばなしを大人になったときまでおぼえているということはないはずである。
 このことは音楽にもいえる。こどものころに聴いた音楽が大人になったときでも<おもいだす>ことができるということはその聴いた音楽に<特別な経験がある>すなわち西田幾多郎純粋経験があったということで魂の深層部分に<響く>ものがあったのであろう。