2011-02-23から1日間の記事一覧

『明暗』と聖書

私は『明暗』を読んでいるときに京都風にアレンジして書きなおしてみたいと感じた。津田の<生きざま>や<生々しい>病院や人物の描写は聖書における人物の描写に限りなく近いとおもったのである。人間のいやらしい部分ときれいな部分が漱石によって未完の…

『エクリ』ジャック・ラカンからみる無意識の演技論

ジャック・ラカンはフロイトの文献を丁寧にひもときフランスの世界に導入した立役者であり精神分析家である。ラカンの著作である『エクリ』には演技にかんする興味深い記述がみられる。筆者はハイデガーの『有と時』と比較しながら演技の在り方を模索してい…

大河小説 医師と哲学者 Ⅲ

大谷氏は元来、「怠け者」だった。朝起きることができないのだ。その理由は毎日、夜にコーヒーを飲んでしまうためだ。そのほか大谷氏は人体解剖図を夜中に見る変な趣味があった。特に大谷氏は神経が細かったので神経系が細かく描かれた人体解剖図を見ること…

『まわる神話構想ノート』より

私は小学校のころ友人といっしょにピストルのおもちゃを集めて遊んだことがある。その盛り上がりぶりはカーニバルのようであった。夏になるとピストルのおもちゃから水ふうせんとなり水ふうせんに水をいれて輪ゴムをつけて投げ合って遊んだ。 その遊びは子ど…